GUEST
香川ファイブアローズヘッドコーチ 籔内 幸樹さん
大阪府出身。2014年に「高松ファイブアローズ」に入団し、その年のチームのプレーオフ進出にも貢献。2023年に新ヘッドコーチとして就任。
地域のプロチームをポイントで応援
大澤 ファイブアローズさんとは、Bリーグに参入する前から、試合観戦でポイントを付与してチームのグッズと交換できたり、昔からお付き合いがあって。
薮内 ありがとうございます。おそらく私が選手の時代ですね。地域ポイントの話はよく耳にしていました。
大澤 ポイントでファイブアローズの選手を学校に呼んで子どもたちと一緒に練習したり、バスケットボールの楽しさや「こんな選手になりたい!」という夢を届けるプロジェクトも実施しました。
藪内 選手たちによく伝えているのが、自分たちの価値というのは「勝ち負け」といった目に見える価値だけではないということです。子どもたちの夢や希望もそうですし、例えば一生懸命がむしゃらにプレーすることで「人の心を動かす」といった、「付加価値」を大事にしていきたいと思っています。人の感情を動かすのはお金ではできないことですから。
集客に向けてのデジタルツール
大澤 ファイブアローズさんではクラブ運営をしていくうえで今、力を入れていることなどはありますか?
籔内 今年は「集客」に力を入れています。というのも、2026年にBリーグは大きな変革を予定していて、新たなリーグ編成の条件がチームの成績だけでなく、入場者数なども指針の一つになるんです。
大澤 そうなんですね。その集客に向けては何か新しい取り組みをしているのですか?
籔内 最近はSNSでの発信に力を入れています。若い世代の方たちの来場が少ないと感じているので、SNSでの発信なら情報を届けやすいかなと。ただ、マスメディアでの後押しというのが現状あまりないので、地道に広報活動を続けているような状況です。
大澤 私たちのマイデジアプリは、ポイントを活用するアプリではありますが、ゆくゆくは地域の情報が集まるポータルサイトにしていきたいと考えているんです。将来的には例えば、ユーザーさんが投稿するファイブアローズさんの情報をマイデジで共有できたり、情報を拡散するツールとして機能していけたらと思っています。
夢中になれる非日常の演出
大澤 私はプライベートでもファイブアローズさんの試合を観戦するのですが、最近はお客さんもすごく増えている印象があります。
籔内 昨シーズンの平均入場者数が約780名ぐらいだったのですが、おかげさまで今シーズンは平均1360名ぐらい。だいぶ良くなってはいますが、まだまだです。もっと突き抜けたいなと思っています。
大澤 突き抜けるというのは、どういうことですか?
籔内 Bリーグのトップチームの試合は、平日の夜でも4〜5000名入るのが当たり前になっていて、リーグ自体は今すごく盛り上がっているんです。実際に私も最近、トップチームの試合を見にいきましたが、ゲームを観戦する以外に楽しめる要素が満載で。会場の演出面だったり、イベントとして楽しめるので久しぶりにワクワクしました。
大澤 映画館とか、アミューズメント施設に行ったような感じですかね?
籔内 まさにそうです。夢と魔法の国にいるような(笑)。そんな「非日常感」が味わえるということが集客のカギを握っていると感じました。チームのいる場所が、いかにワクワク・ドキドキできる場所になれるか。そういった部分で、もっとクラブとしても突き抜けていく必要性を感じています。
ライブスポーツで地域を盛り上げる
大澤 今より地域プロスポーツチームが盛り上がっていくためには何が必要だと思いますか?
籔内 スポーツ興行というのは、いわばアリーナビジネスの一つです。でも、スポーツ=競技という枠では見にきてくれる方も限られると思うんです。プロスポーツは、やはり非日常の感覚を得られるもの。バスケットボール✕アリーナでどう非日常を演出していくか。行くだけでも楽しいと思ってもらえる場づくりが重要になると思います。
大澤 そのワクワク・ドキドキも籔内さんが最初におっしゃっていた「付加価値」の一つですよね。
籔内 もちろん我々はチームとして勝利を目指していくのは当然ですが、勝ち負けだけがゲーム観戦の楽しみではないということです。それにアリーナでコンサートがあれば、その周辺の飲食店にもお客さんが集まるので、地域一体でウェルカムな雰囲気になるじゃないですか。県外からもお客さんが来てくれますし。
大澤 そういった飲食店でマイデジのポイントが使えたり、私たちのデジタルツールでファイブアローズさんをサポートすることもできそうですね。
籔内 ありがとうございます。バスケットボールの試合をライブスポーツエンターテイメントとして演出していければ、もっと地域も盛り上がってくれるのではないかなと思っています。