GUEST
マチプラ企画 プロジェクトマネージャー 星野行人さん
親の転勤で小学3年生の頃から香川県在住。商店街活性化の取り組みはボランティア時代も合わせると延べ13年間手がけている。
マチプラ企画
高松南部3町(田町・トキワ街・南新町)の商店街を「世代に関係なく来たくなる街」にするために、商店街のまちづくり計画の第一歩として、商店街の企画・プロモーションや、外部の企業・団体とのタイアップなど様々な取り組みを行っています。
「マチプラ企画」って何してるの?
大澤 以前、星野さんや商店街の皆さんが企画されたイベントに当社が協賛したことがあって、本当にお手伝いさせていただきたくなるというか、商店街を盛り上げるために頑張っていらっしゃるという印象なのですが、最近ではどんなことをやられているんですか?
星野 ありがとうございます。最近で言うと「秋色商店街」と銘打って、各店舗の秋グルメを特集してSNSで紹介したり、地元のプロバスケットチームのファイブアローズさんにご協力いただいて、無料観戦チケットのプレゼントや選手に商店街を訪問してもらったりしています
大澤 商店街にファイブアローズさんの垂れ幕だったり、サイドフラッグがずらっと並んでいて壮観ですね。これって、商店街をメディア(広告媒体)にするという発想ですよね?
星野 そうです。企業やチームと商店街がタイアップすることで、チームにとっても地元へのプロモーションにつながるのではないかと。実際、選手と話をしたお店の店主さんが、そこから試合観戦にハマって、毎週応援に行っているんですよ。
商店街を盛りあげたい理由って?
大澤 もともと星野さんは、なぜ商店街の活性化に取り組もうと思ったのですか?
星野 僕は高松が大賑わいだったことを知っている最後の世代というか(笑)。学生時代の頃に瓦町駅に百貨店がオープンして、商店街も人がぎゅうぎゅうで歩けないくらいで。
大澤 確かに当時は高松の繁華街に行くことを「街に行く」と言って、おしゃれをして出掛けていましたもんね。
星野 そうなんです。ところが、大学進学で東京に出て、そのまま東京で就職して、20代後半で高松に戻ったとき、いわゆるシャッター街になりかけていて。思い出の場所が消えていく危機感を感じたんです。
大澤 自分のふるさとが廃れていくというか。
星野 でも、ポテンシャルはあるなと思ったんです。昔は高松南部3町に1日4万人の往来があったらしいんですけど、今は1日1万人。昔を知っている人からすれば衰退したという印象かもしれないですけど、それでも1万人いるんですよ。店舗数だって約二百店舗ある。これって郊外のショッピングモールより店舗数が多いんです。これは工夫すればなんとかなるぞって。
商店街とDXとの関わり方
大澤 ちなみに商店街をデジタルの力で盛り上げるとしたら、どのようなイメージですか?
星野 例えば、商店街のアプリがあったとして、ただお店の情報が載っているだけではDXとは言えないと思うんです。今の時代、ネットですぐに情報は取れるわけですから。情報取得だけでは足りなくて、プラスアルファの何かをもたらしてくれるアプリが必要。そういう意味でも「マイデジ」は多機能で、うまく使えば有効だなという印象を持っています。
大澤 ありがとうございます。マイデジは地域ポイントでお買い物するだけではなくて、商店街の清掃に参加するとポイントをもらえたり、ポイントをNPO団体に寄付できたり、地域との関わりを増やしたいという発想がベースにあるんです。
星野 やはりローカルなアプリというのも、ひとつ大きなポイントだと思います。全国規模のアプリだと、地方の細かい情報までは現実的に拾えないと思うんですよ。しかも商店街としては小さなビジネス戦なので、地方の実情にあったアプリってなかなかなくて。
大澤 アプリを使って地元の課題解決をするのが私たちの役割なので、マチプラ企画さんとも一緒に「こんなことをやってみたい」という声を実現していきたいですね!
アナログ×デジタルの強み
星野 やっぱり商店街にはアナログな魅力があって、リアルに足を運ぶからこそ、思ってもみない掘り出し物を見つけたりとか。
大澤 ネットショッピングも便利ですけど、お店で直接商品を手に取ってお買い物する楽しみもありますからね。
星野 メディア(広告媒体)としても1日1万人の通行人に直接PRできるというのは非常に大きなことなので、全国区の大企業さんも広告を出してくれたことがありました。
大澤 企業にとっても、商店街は価値があるという判断ですね。
星野 結局そのメディア手法もアナログですよね。そもそも商店街の活性化を進めるにあたって、一番大切にしたのもお店さんとのコミュニケーションというアナログな部分。やっぱり直接コミュニケーションを取らないとお店の魅力も、店主さんが何を望んでいるかも分かりませんから。そういったアナログで手に入れた情報を、デジタルの運用にも活かしてほしいなと思っています。
大澤 ありがとうございます。マイデジはローカルなアプリですけど、全国から見ても「すごい!」と思われる完成形を目指したいと思います。